サーマルクッションによる
面方向+厚み方向の立体的な熱対策
Three-dimensional thermal management in both in-plane and thickness
directions using thermal cushions.
サーマルクッションによる面方向+厚み方向の
立体的な熱対策をご紹介いたします。
課題概要
一般的なグラファイトシートが主に面方向へ熱を拡散する特性を持つのに対し、グラファイトシートを立体的な構造へ加工することで、面方向だけでなく厚み方向にも熱を逃がしやすくする「サーマルクッション」を開発した技術事例です。
平面的な材料をそのまま使用する発想から一歩進み、グラファイトを立体構造化して新しい熱の逃げ道をつくることで、材料特性と加工技術を組み合わせた熱対策を実現します。
お客様の課題
電子機器の高出力化・小型化により発熱量が増える一方、機器内部では熱を逃がせる方向やスペースが限られています。グラファイトシートは面方向の熱拡散には適していますが、厚み方向へ効率よく熱を移動させたい構造では別の工夫が必要です。
- ・面方向だけでなく厚み方向にも熱を逃がしたい
- ・発熱部と筐体・放熱部材の間にある空間を活用したい
- ・一定の厚みを持つ熱伝導部材が必要
- ・形状追従性やクッション性も持たせたい
- ・既存材料の使い方を変えて新しい熱経路をつくりたい
ニチベイパーツの
解決アプローチ
薄いグラファイトシートを単純に積層するのではなく、芯材となる部材へグラファイトシートを巻き付けてチューブ状の構造を形成し、それらを複数配列・圧縮する立体構造を検討しました。
チューブ状の部材を複数配置することで、グラファイトの面方向熱伝導特性を立体的に活用し、従来の平面シートとは異なる方向へ熱を導く構造をつくります。素材の性能だけでは不足する場合に、形状・構造そのものを変える加工提案です。
- ・グラファイトを芯材へ巻き付け、チューブ状部材を形成
- ・複数のチューブ状部材を配列・圧縮
- ・発熱部と放熱先の位置関係に合わせて厚み・形状を調整
- ・熱伝導性とクッション性を両立する構造を検討
採用した素材・加工技術
採用素材
- ・グラファイトシート
- ・チューブ構造を形成するための芯材
- ・固定・保持用の補助材料
加工技術
- ・巻き付け、配列、圧縮加工
- ・立体構造の形状・厚み調整
グラファイトシートの熱拡散性に、芯材と立体加工による形状保持・クッション性を組み合わせます。平面材料を立体的な機能部品へ変えることが技術のポイントです。
解決結果・効果
従来のグラファイトシートによる平面的な熱拡散に加え、立体構造によって厚み方向にも熱を逃がしやすい熱経路を形成しました。発熱部と筐体や別部材との間に空間がある場合など、薄い平面シートとは異なるアプローチが可能になります。
また、立体構造により一定の厚みを持たせられるため、熱伝導部材としてだけでなく、接触面への追従性やクッション性を活かした用途にも展開できます。
- ・面方向+厚み方向を意識した立体的な熱経路を形成
- ・発熱部と放熱先の間のギャップを活用
- ・熱伝導とクッション性を一つの構造に集約
- ・平面材料では難しい立体形状への対応
「面方向だけでなく厚み方向にも熱を逃がしたい」
「発熱部と放熱先の間に空間がある」
といった課題を持つ製品への展開が考えられます。
- 小型電子機器、カメラ・光学機器
- 車載電子機器、通信・制御機器
- 発熱部と筐体の間にギャップがある製品
- クッション性と熱伝導性を同時に求める部位
サーマルクッションそのものだけでなく、
平面材料を加工によって立体的な機能部品へ変えるという考え方を
他素材・他用途へ展開できます。